こんにちは、もっちーです。
いま話題になっている「生殖記」を読んだ感想を書いていきます。
乃木坂46のラジオで紹介されていたのがきっかけで、発売した頃から買うかどうか悩んでいました。
自分は単行本は買わずに文庫化するまで待つスタンスだったのですが、この作品だけは気になりすぎて眠れなかったのでKindle版を買うことにしました。
結果として「自分が世の中に対して感じているモヤモヤ感」をうまく言語化してくれる内容だったので、今このタイミングで読んでよかったと思いました。
そして普通の小説とは違ったテイストに驚きました・・(笑)
正体は誰だ?
紹介文より引用
今度の語り手は何かが違う。
この語り手はストーリーの序盤で明らかになりますが、それでも一般的な小説ではあり得ないような語りです。
取り扱っているテーマとしては「正欲」にも似ている部分がありますが、今回の生殖器ではもう少し広い範囲(個人だけではなく社会全体)に広がっていると感じました。
人間として求めらられているのは「種を残して子孫を増やしていく」ことだと思われがちですが、それはまわりの考えに
種を残せない人間は価値がないのか?社会に存在する必要はないのか?
このような悩みを抱えて生きてきた主人公にフォーカスして、○○(語り手)の考えが展開されていく内容になっています。
辻村深月さんの「傲慢と善良」で朝井さんが解説を担当していたのですが、その中に「私たち人は何かを選ぶとき、どうしたって未来や死から逆転する思考を働かせてしまう」という書かれています。
同じようなことが生殖記でも解説されていて、さらに深掘りして「ヒトならではの考え方」を改めて考えさせられるような内容になっていました。
これまで多くの文章を読んできた中で、一番しっくりきた表現かもしれません。
自分の人生が終わることを知っているから、それに向けた準備をしようとして行動を起こすのだと思います(就職・結婚・出産など)
自分も同じようなことを思ったことがあり、以下のようにブログ記事にも書いていました。
今この瞬間を生きることでなくて、将来に備えるために精一杯なにかをやり続けるのが人間の生き方なのかもしれませんね。
最後に
結論:自分は「共同体感覚」を生きることができない性格みたいです(泣)
いわゆる「固定観念」をどうしても理解できないみたいなイメージです。
当たり前だと思われている考えにモヤモヤした気持ちを抱いていたり、まわりと同じ行動をすることに違和感を覚えるような人。
このような悩みを感じている人に、朝井リョウさんの「生殖記」はぴったりな作品だと思います。
興味がある人はぜひ読んでみてください。