【感想】木曜日にはココアを/青山美智子

今回読んだのは「木曜日にはココアを」という作品です。

赤と青とエスキースをきっかけに青山美智子さんの作品に興味を持ったので、同じような短編小説を読んでみることにしました。

それぞれの短編が少しずつ繋がっていき、最後に感動が待っている…という展開になっています。

森沢明夫さんの「水曜日の手紙」や「本が紡いだ五つの奇跡」と似ている構成で、青山さんの作品はより登場人物の感情にフォーカスしている感じですね。

ひとつずつの章が20ページほどで短いため、最後までスラスラと軽い気持ちで読むことができます。

それぞれの話が繋がっていて、関係ある人が少しずつ出てくるので、「次は誰がメインの主人公なのかな…」と楽しみながら読み進めることができました。

忙しい人がちょっと気持ちを落ち着けたいときにぴったりの本ですね。

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最後に・・気になった文章がいくつかあったのでメモに残しておきます。

私たちは1秒先のことも知らされないまま暮らしている。
自分の意志だけではどうしようもない、抗えないことも向こうから訪れる。
そんなときに果てなく膨らんでいく不安は、わたしたちに恐ろしいシナリオを書かせる。

「トリコロールの約束」より引用

「明日どうなるか分からない」という言葉もありますが、それ以上に1秒後でも何が起こるか分からないんですよね。

いきなり悪いことが起こる可能性もあって、そこで感じた不安は少しずつ大きくなっていくと思います。

人間の脳はネガティブな方向にものごとを考えがち…ということを本で読んだ気がするのですが、まさにこのような状態になってるのではないでしょうか?

1秒後の未来が来ない可能性もあるので、今この瞬間を楽しむことが大切なのだと思います(アドラー心理学でよく言われていることですね!)

お決まりの時間や場所から一歩踏み出したくなった

「恋文」より引用

慣れ親しんだ場所(コンフォート・ゾーン)から少し外に出ることで、自分の考えが180度変わることも多いと思います。

自分も恵比寿への引越しをきっかけに、それまで苦しんでいた強迫性障害が落ちついてきました。

これまでと違う行動をすることは、いろんな面で良い効果があるのではないでしょうか?

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