【感想】行動経済学が最強の学問である/相良 奈美香

こんにちは、もっちーです。

今回は「行動経済学が最強の学問である」を読んだ感想をまとめていきます。

この本を買ったのは2023年の春だったので、1年以上も読まれないまま本棚に隠されていました…笑

最近はブログ記事のヒートマップなどをみることが多く、どのような時にユーザーが行動を起こすのか学術的な視点から学んでみたくなりました。

行動経済学とは?

人間が「なぜ非合理な行動をしてしまうのか」を理解する学問

そこで「行動経済学」について初心者で学びやすくまとめられている、「行動経済学が最強の学問である」を読んでみることにしました。

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合理的な考え方をするには、データに基づいた判断が必要なので、統計学とも繋がりがあるかもしれません。

そういう意味では、行動経済学を学ぶことは自分にとって良い影響がありそうだと思いました。

目次

時間も認知のクセになる(144〜)

近い将来を考えるときは、少しの時間の差も気になるが、
遠い将来を考えるときは、時間の差が気にならない

この理論を説明するために

  • 今日100ドルもらう vs 1ヶ月後に120ドルもらう
  • 1年後に100ドルもらう vs 1年1ヶ月後に120ドルもらう

この2つの場面において、どちらを選ぶのかという実験がおこなわれています。

最初のケースでは「今日100ドルもらう」のを選び、あとのケースでは「1年1ヶ月後に120ドルもらう」を選ぶ人が多いと言われています。

すぐ目の前にある利益(1ヶ月後)には手を出してしまう一方で、遠くにある利益(1年後)については合理的な判断をできるという仕組みです。

これは生活や仕事にも影響を与えていることが多くて、「あとでしっかりやろう」と考えてものごとを後回しにするクセに似ている気がします。

もっちー

普通に考えたら先にやっちゃった方が良いはずなんですが、それが将来のことになると後回しにしがちなんですよね…

「今は忙しいから仕方ない、でも来月なら時間があるから作業を進められるはず」と考えるイメージです(実際は来月もやらない可能性が高い笑)

やりたいことを後回しにしそうになったら、「時間が認知のクセになってるかもしれない」と行動経済学のことを思い出そうと思います。

そうすることで合理的な判断をできるようになるはずです。

多すぎる情報や選択肢が人の判断を狂わせる(182〜)

インターネットの普及によって、誰でも気軽に情報を手に入れられるようになりました。

スマホさえ持っていれば、外出中であっても簡単にネットに繋がることができます。

もっちー

ガラケーでアクセス制限をかけられていた頃が懐かしいです…笑

情報が多く手に入ることは「合理的な判断をするために役立つ」と経済学では考えられています。

しかし、行動経済学では

多くの情報から正しいことを選ぶために脳を使うことで、合理的な判断ができず適当に決めてしまう

ということが起こると言われています。

何かを買うときの心理に注目してみると

たとえば
  • 欲しいものに似ている商品がいくつか並べられている
  • そこまで大きな違いがなくて、どれを買うか決められない
  • 「オススメ」や「99%の人が満足」などの説明が書かれているものを選ぶ

このように選択肢が多い場合だと、人間は「迷わずに選べる」というだけで満足度が上がるらしいです。

たしかにAmazonで日用品を買うときには、レビューが高かったり「ベストセラー」と書かれているものを選びがちですよね。

企業がマーケティングに行動経済学を使っていることを理解した上で、自分の頭でゆっくり時間をかけて判断することが大切だと思いました。

そのためにはSNSから離れることが効果的です。

「いつ」を変えるだけで人の判断が変わる(244〜)

疲れているときは衝動的な判断をしやすいと言われています。

業務が始まったばかりの午前中や、コーヒーを飲んで気分転換したあとは、脳にエネルギーがあって、やる気に満ちている状態だと思います。

このような場合はものごとをしっかり考えることが出来るので、衝動的な判断をすることが少なくなります。

しかし、夕方や夜などの疲れているときは、できるだけ面倒な意思決定をせずに済ませたくなるので、あまり考えずに衝動的な行動に出てしまうことが多くなったり。

もっちー

疲れているときは体に良くないものを爆食いしちゃうことに似ていますね

つまり「時間帯によって人の判断は大きく変わってくる」ということが、行動経済学では明らかにされています。

このことを分かりやすく解説しているのが、「ネット広告の出稿時間について」という例です。

たとえば
  • 高額な商品(保険や住宅など)→ 脳にエネルギーが残っている朝や休憩後など
  • 安いものや気軽に試せる商品 → 脳が疲れていて衝動で使ってもらいやすい夕方や夜など

このようにサービスの内容によって出稿時間を変えることで、行動経済学をマーケティングに活かすことができます。

自分は個人開発しているサービスをGoogle広告に出してみる予定なので、この考え方を取り入れてみようと思います。

感想を共有する掲示板アプリなので、気軽に試してもらえる可能性の高い夕方や夜が良さそうです。

個人開発については以下の記事で少しだけ触れています

ものごとを自分でコントロールできると不安感が減る(302〜)

自分自身で決められるということは、自己肯定感の教科書に書かれていた「自己決定感」に似ていると感じました。

実際に悪い結果であることよりも「悪い結果になるかもしれない」不確実性を嫌う(311)

先が見えない不安はストレスに繋がりやすい

と書かれていました。

これは不安障害に悩んでいる自分にとって納得できる内容です。

本の中では病気を例に挙げていて、「あなたは〇〇の病気かもしれない」と言われときが1番ストレスが強くなると書かれています。

しかし、実際にそのあとに検査などをして本当に病気であることが分かると、「〇〇かもしれない」と言われたときよりもストレスは下がるらしいです。

これは「大きな病気かもしれないという不確実ない未来」にストレスを感じているということです。

日常生活にも当てはめて考えることができて

たとえば
  • 家族でケンカするかもしれない
  • 好きな人に振られるかもしれない
  • 仕事で悪い評価を受けるかもしれない

このように実際に起きたことではなく、嫌なことが起きるかもしれないと考えることで、ストレスが増えるという意味になります。

もっちー

これは不安障害の人にとって厳しい現実ですね…

今のことを考えずに、将来のことばかり考えるから、このような思考に繋がってしまうのかもしれません。

最後に

学べることが多くて面白かったです。

読むタイミングによって新しい気づきもありそうなので、定期的に読み返してみようと思います。

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