こんにちは、もっちーです。
ミヒャエル・エンデの「モモ」以来の海外作品を読みました。
モモは児童文学なので読みやすい方ですが、今回の「ザリガニの鳴くところ」はページ数も多くて読むのに時間がかかることもあったり。
海外の作品によくある独特な言い回しが多く、慣れてない自分は読むのに時間がかかってしまいました。
しかし、時間をかけて読んだ価値がある作品だったと思います。
ジャンルとしては「海外ミステリー」ですが、全体の半分以上はカイア(主人公の女の子)が湿地で暮らす場面です。
最後の後書きには以下のように書かれていました。
フーダニットのミステリであると同時に
ひとりの少女の成長譚とも
差別や環境問題をあつかう社会派小説とも
南部の自然や風土を描いた文学とも捉えられる
たしかに単純なミステリー作品ではないですね。
家族が去ってしまい一人ぼっちになったカイアが懸命に生きていく姿が描かれていました。
湿地に住む少女として周りから嫌われて過ごす一方で、心優しい人たちに支えられながら少しずつ大人になっていきます。
厳しい環境で生きているカイアの気持ちがありのままに表現されていて、自分が主人公になったような感覚で読み進めることができました。
ただ、ミステリーとしては物足りない感じももあったり。
最後にプチどんでん返しのような場面がありましたが、そこまで驚くこともなくて「こんなにあっさり終わるのか…」って気分でした。
動機やトリックを楽しみたい人にとっては、あまり楽しめない作品だと思います。
ミステリー小説としてはオススメできませんが、海外の作品に興味がある人がはじめの1冊として手に取るのは良いかもしれません。
最後に:心に残った文書をメモしておきます。
たとえ長い1日のほんの数分であっても、たえずつきまとってくる寂しさを忘れさせてくれた
ザリガニの鳴くところ p189
カイアに恋心が芽生えているシーンですね。
不安な気持ちに押し潰されながらも、明るい未来を見出しているシーンだと思います。