こんにちは、もっちーです。
今回は「雨降る森の犬」を読んだ感想を書いていきます。
人と関わることが得意ではない主人公の「雨音(あまね)」が、蓼科にある伯父の家で過ごしながら新しい出会いを通して変わっていくストーリーです。
この家には「ワルテル」という大型犬がいて、この犬と少しずつ関係性を築きながら、殻に閉じこもっていた雨音の心が明るい方に進んでいったり。
このワルテルにはどこか不思議な力があるようで、関わる人の人生をちょっとずつ変えてくれるような存在になっています。
ワルテルと過ごしながら雨音の心に明かりが差してくる…そんな感じの幸せになれる物語です。
最後のシーンは感動的でした
ちなみに馳さんの作品には、映画化される予定の「少年と犬」というミステリー寄りのものがあり、こちらにも不思議な力を持つ犬が出てきます。
馳さんは犬に対する思い入れが強いようで、この作品の後書きに書かれていた
ある翻訳ミステリーを読んでいたところ
後書きより引用
どうしても作中の犬の行動原理が作者の都合のいい解釈にしか思えなくて…
だったら自分が納得のいくものを書いてみよう
という言葉を聞いて、犬好きである馳さんならではの、犬の生き生きとした姿が文章から伝わってくることが分かりました。
それでは最後に心に刺さった文章をピックアップしておきます。
人間は過去と未来にとらわれて生きている
p191
なんでも過去の経験に照らし合わせて、未来を予測しようとする
アドラー心理学の「今を生きるべき」という考え方に繋がっていると思います。
どうしても過去の経験をベースに考えてしまったり、将来のためになるかどうかを計算して行動してしまうんですよね・・
別れの悲しみより一緒にいる喜びの方がずっと大きい
p472
誰かと一緒に過ごすことの喜びをあまり経験したことがないので、どちらかと言えば1人で過ごす方が好きだったり・・。
失ったときの喪失感の方が大きいと思います(個人的には)
いつか人と過ごすことの喜びに気づけるのでしょうか・・(笑)
最後に
興味のある人はぜひ読んでみてください。