こんにちは、もっちーです。
今回は「息が詰まるようなこの場所で」を読んだ感想を書いていきます。
東京というすべてが狂った異常な街で
息が詰まるようなこの場所で
私たちは何を追い求めて消耗しているのだろうか
p67 「平田さやかの憂鬱」より引用
舞台は東京湾岸のタワマン。
そこに暮らす人たちの悩みや不安がリアルに描かれています。
書かれている文章ひとつひとつが悩み苦しむ人たちのリアルな心情を表していて、タワマンとは縁遠い自分にも当てはまるような気持ちを感じました。
たとえば以下の内容が心に刺さりました。
生まれる前から敷かれたレールを進むことを義務付けられた人と
試行錯誤をしながら自分なりの正解を目指して悩む人
幸せなのは果たしてどちらなのだろうか
「息が詰まるようなこの場所で」 p180より引用
今回の小説内では、前者のような敷かれたレールから降りることのできない人が描かれています。
しかし、実際に自分のような普通の人は後者(試行錯誤しながら生きていく人生)のケースが多いのではないでしょうか?
たとえば
- 自分の選択が正しいかどうか分からない
- 間違えた選択で将来の可能性を失うのは怖い
- そのため試行錯誤しながら自分自身で考える時間を作る
このような人生は「敷かれたレールがないからこそ出来る」ことなのかもしれません。
もがき苦しみながらもハッピーエンドに繋がる結末も良かったです。
もし次回作があれば読みたいな〜と思いました。
それでは、最後に心に残った文章をピックアップしておきます。
この街では、立ち止まっていることは許されない
「息が詰まるようなこの場所で」 p219より引用
現状維持は衰退だと言われている世界で生きているわけですよね・・。
興味がある人はぜひ読んでみてください。