初めて読む作家さんの作品です。
この本を読むきっかけになったのは、本を紹介するラジオ番組「乃木坂46向井葉月の木曜ここで待ち合わせ」で紹介されていたから。
最近は葉月のラジオきっかけで本を買うことが増えています。これまで自分だけでは手に取らなかった作品に触れることができて、新しい世界に足を踏み入れるような感覚です。
呉勝浩さんの「爆弾」は、ミステリー好きの自分にとってハマりそうな作家さんだと思います。現実離れしている感じの解説文が気になり、ラジオを聴きながらすぐにamazonでポチってしまいました。
自称スズキタゴサク。取調室に捕えられた冴えない男が、突如「十時に爆発があります」と予言した。
警察の取り調べ室を舞台にしながら、警察官とスズキタゴサクの心理戦(?)を通して、爆発を防ごうとする物語です。
展開が目まぐるしく変わるテンポの良い作品だったので、約500ページと長めですが1日で読み終わることができました。
物語に出でくる地名が東京の都心(渋谷区や港区あたり)ということもあり、7月に恵比寿へ引っ越した自分にとって馴染み深く感じることもあったり。
この本の中では、どこに爆弾が隠されているか突き止めていくことになりますが、容疑者のスズキタゴサクは具体的な場所を口に出さないんですよね。
もしかしたら身近にあるかもしれないし、そもそも爆弾なんて隠されてないのかもしれない
という疑心暗鬼な気持ちになり、強迫観念が強い自分は外に出るのも不安になってしまいそうです😂
ハラハラ系のミステリーが好きな人には、かなりオススメできる作品だと思いました(どことなく伊坂幸太郎さんのゴールデンスランバーにも似てるような気がしました)
最後に微妙だと感じたことを1つだけ、、
物語の展開は面白かったのですが、容疑者の動機や登場人物(おもに警察側)の心情については、理解できない部分が多くてモヤモヤしました。
容疑者のスズキタゴサクとやり取りをする場面を通して、さまざまな人間の心の声が表現されていますが、ちょっとクセが強すぎる人ばかりで読みづらいと感じたり。
ミステリー小説の醍醐味である容疑者の動機についても、サラッと解説されるくらいで味気ない感じだと思いました。
登場人物の心情や犯行に至るまでの動機を楽しみたい人には、あまり向いてない作品かもしれません。
動機の深さを楽しみたいと思ったら、やっぱり東野圭吾さんの作品がオススメですね