海外で有名な「依存症ビジネスのつくられかた 僕らはそれに抵抗できない」を読みました。
全体の感想や気になったことを書いていきます。
物質依存から行動依存に変わってきた
もともとは「依存症と言えば薬物」といった感じで、ものに対する依存症がほとんどでした。
しかし、ここ最近では、インターネットを使ったり悪い習慣を続けたりする「行動への依存」が増えてきています。
その大きな理由は「インターネットの普及」で、スマホによって誰でも気軽にインターネットに繋げられるようになったことが大きいです。
自分は大学生になったタイミングで、スマホを使うようになりました(2013年)
もう少し早くスマホが普及していたら、中学・高校をネット依存の状態で過ごしていたかもしれません。
依存症と強迫観念は似ている
強迫性障害に苦しんでいる自分にとっては、見過ごせないフレーズです。
強迫性障害と依存症に共通点があることには、驚きました。
依存症・強迫観念、どちらも自分の意思では止められない行動が原因になっています。
ただ違う点としては
- 依存症
- 行動すると報酬を受け取れるので、良い気分になる(正の強化)
- 強迫観念
- 行動しないことが不安なので、その不快感を取り除くために行動する(負の強化)
自分は安心するために手洗い(強迫行為)を繰り返しているのだろうか…
心理的な痛みを和らげるために利用することが依存症になる原因
ひとつ前に書いた強迫観念と似ていますね。
依存症になる人は、何かしらの不安や悩みを抱えていることが多いです。
その心理的な痛みを減らすために、特定の行動(お酒やギャンブル)を始める。
その結果、「〇〇をすれば辛い気持ちが減る」と脳が認識することで、依存になってしまうわけです。
安心でいられる環境を求めすぎることで、逆に危険な依存症へと進んでしまうと考えられます
確実な報酬よりも「予測不可能なフィードバック」を求める
まさにソシャゲのガチャですね。
いつでも報酬がもらえる状況だと、その刺激に飽きてしまうようです。
そして、ランダムな報酬(ガチャ)を求めるようになって、「次はもっと良いものが出るはず!」という依存のループに入ってしまいます。
予測していなかった報酬を得られると、ドーパミンがたくさん出て、もう一回、あと一回と何度も続けてしまうことに・・
ソシャゲの運営は、このようなユーザーの心理を利用して、サービスの売り上げを出しているのでしょう。
報酬自体が重要なのではなくて、それを求める過程に喜びを感じる
人間の欲望は、以下の3ステップで進んでいきます。
- 〇〇したいという欲望が生まれる
- 〇〇できそうな状況に近づいてくる
- 〇〇を達成する(ここで終わらずに新しい欲望が生まれる)
やりたいことを達成することで満足感を得られますが、それで終わらずに次の欲望を求めるようになります。
この3ステップの中でいちばん気持ちが高まるのは、真ん中の「〇〇できそうな状況に近づいてくる」です。
無理かもしれなかったことが達成できそうになると、モチベーションも高まり何度も繰り返すようになります。
クリアしてしまうと急に気分が冷めるゲームみたいな感じですね
良い習慣と行動をおこなうためには環境が大切
人間は以下の3つに近い気持ちを感じた場合、自主的に行動すると考えられています。
- 自分の意思で動きたい(規律性)
- 人間関係の絆を深めたい(関係性)
- 周囲に影響力を見せつけたい(有能性)
どれかひとつでも足りてない状態だと、それを埋めるために依存的な行動をしてしまう可能性があります。
- 周囲に影響力を見せつけたい(有能性)が足りない場合
- → Twitterやインスタで自分の生活をアピールする
逆に言えば、何もしなくてもまわりの人から頼られる環境にいれば、上記のような悩みは少なくなります。
このように規律性・関係性・有能性を満たせるような環境によって、依存行動へつながる原因を減らすことができます。
さらに良い行動へ繋げるためには「内発的な動機づけ」を持つことが大切です
内発的な動機については、こちらの本に詳しく書かれていました。