こんにちは、もっちーです。
今回は「透明な夜の香り」を読んだ感想を書いていきます。
千早茜さんの作品を読むのは今回が初めて。
まず感想をまとめると「印象に残る文章がとても多い」という感じました。
シンプルに物語としてストーリーを楽しむことはもちろん、言語化できない頭の中のモヤモヤを代わりに表現してくれるような気持ちよさを感じることもできます。
とても自分好みな作風になっていて、ひとつひとつの言葉が強烈に記憶に残っていたり。
たとえば以下の文章などは心にグッと刺さりました。
ーー香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶される
けれど、その永遠には誰も気づかない
そのひきだしとなる香りに再び出会うまでは
p238
物語のテーマになっている”香り”が持っている強い力をあらためて実感させられる文章でした。
まさにタイトルの「透明な夜の香り」という意味が込められているのではないでしょうか?
はっきりと言葉で説明するのは難しい香りだけども、ひっそりと身近に潜んでいる香りの恐ろしさを表現していると感じました。
物語のラストで主人公が心に隠していた気持ちを明らかにする部分も良かったです。
僕は変化が苦手だ
p269
変わらないものが欲しいんだと思う
ツイートにも書いたように「変わり続けるものを変わらずに見ていたい」というShort Hairの曲を思い出しました。

自分にとって青春の思い出がある曲なので泣けてきます・・!
ここ最近読んだ本の中でも「透明な夜の香り」はベスト3に入るくらい感動した作品でした。
千早茜さんの他作品も読んでみようと思います。
興味のある人はぜひ読んでみてください。