【感想】トリカゴ/辻堂ゆめ

こんにちは、もっちーです。

今回は「トリカゴ」を読んだ感想を書いていきます。

とても面白い作品でした。

戸籍についての社会問題をテーマにしている点は、中山七里さんの「境界線」と似ているのではないでしょうか?

感想を書いた記事はこちら

こちらの作品では戸籍の不法売買を中心としたミステリーになっている一方で、今回の「トリカゴ」では戸籍を手に入れられな人たちの生き様を描いている作品になっていました。

もちろんミステリーとしての要素もありますが、無戸籍であることによって普通の人とは違った生き方をしなくてはならない現状が描かれています。

帯表紙にも書かれているように「重苦しいテーマ」を扱っているのにもかかわらず、軽いタッチで書かれているため読みやすい内容になっているのも良かったです。

最後のページに書かれている以下の文章が、この作品の大きなメッセージを伝えているのではないでしょうか?

自分は恵まれていた

何の問題もなく、スタート地点に立つことができていた

この世に生を亨けたときから、ずっと

それがどれほど幸せだったのか、今では分かる

p450

ちなみに「亨けた」の読み方が分からず、感動的なラストの部分にもかかわらず自分の勉強不足を感じました(笑)

https://twitter.com/mnao_daily/status/1905798777568678301

最後に心に残った文章をピックアップしておきます。

過去を知ることから避けてきた人物のセリフです。

覚えていても仕方のないことは切り捨てる

話しても意味のないことは口に出さない

でも忘れようとすればするほど、その情報を意識することになり

過去が自分の中に巣くい続ける・・そんなこともある

p416

興味のある人はぜひ読んでください。

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