こんにちは、もっちーです。
今回は「小説8050」という本を読んだ感想を書いていきます。
まずタイトルに書かれている「8050」という数字は、社会現象となっている「8050問題」のことです。
80代の親が50代の子どもの生活を支えるために
経済的にも精神的にも強い負担を請け負うという社会問題
医療法人社団 心翠会より引用
何かしらのことがきっかけになり社会から孤立したまま歳をとってしまい、自分だけで生きていくことができずに親に頼った生活をする。
でも親の方が先にいなくなる可能性が高いので、そのあとに生きる手段を失ってしまう・・。
いわゆる社会派ミステリーに当てはまる作品で、いつか自分にも訪れるかもしれない将来を考えるきっかけになりました。
メインになっている登場人物は50代の父親で、自分が8050問題で取り上げられている「80」側になることを恐れている立場です。
この父親自身は歯科医として人並み以上に働いているため、「50」側を経験することはありませんでした。
中学生の頃からずっと引きこもっている20歳の息子に対して、過去のいじめに対する復讐(裁判)をさせようと説得しながらストーリーが進んでいきます。
この中で自分が「80」側になってしまうことを実感し始めるようになります。
どのようなことが理由で引きこもりになるのかは人次第であって、もし自分がそうなったときに助けてくれる人がいないと現状から抜け出せなくなったり・・。
昔どこかで以下のような文章を読んだ記憶があります。
自分がどこにいるか分からなくなった時に
呼んでくれる人が誰もいないと二度と戻れなくなる時がある
引用元が不明・・
なぜか自分の心に残っていた文章だったので、今回の「小説8050」を呼んだことで思い出しました。
社会に馴染めずに大人になってしまうと、頼れる唯一の人間は両親だけではないでしょうか?
その両親もいなくなったときに果たしてどうすれば良いのか。
想像するとゾッとする気分になりました
わりと恵まれている環境にいる自分であっても、ささいなことで働けなくなって両親に頼らないと生きていきない「50」側になる可能性があります。
あるいは結婚して子どもが生まれた時には、自分が「80」側を経験する日も来るかもしれません・・。
これからの生き方を改めて考えさせられる作品でした。
興味がある人はぜひ読んでみてください。