自分が大好きな森沢明夫さんの「ぷくぷく」を読んでみました。
この物語の主人公は「金魚」です(最初から分かることだからネタバレではないよね…)
一緒に暮らしている家の住人(イズミ)に対して、言葉を喋ることができずに気持ちを伝えられない金魚(ユキ)の心情を描いた作品です。
タイトルの「ぷくぷく」とは、言葉を話そうとして気泡が水面に上がっていく音の「ぷくっ」から取られています。
音のリズム的に「ぷくぷく」と2回繰り返しているのかな…と思っていましたが、最後まで読んで「ぷくぷく」の意味を理解することができました。
主人公が人間ではないストーリーを描くことで、非現実を楽しめる小説ならではの魅力が詰まっている作品でした。
物語のアイディアとしては「海を抱いたビー玉」に似てるな〜と感じました。
最後に読んでいて気になった文章をピックアップしました。
ある程度の「自由」と「安心」と「安全」を手にしているから
p135
こんな余計なことを考えてしまうのかな?
考えるだけの余裕があるってことなのかな?
幸せが大きくなると
p354
その大きさに比例して
失ったときの悲しみも大きくなる
だから人は幸せなときほど
つい未来を想って不安になってしまう
最後に少しだけ余談を・・(笑)
章のタイトルに書かれていた「キミガイナイ」で欅坂46を思いだしました。