こんにちは、もっちーです。
今回は「地下鉄に乗って」を読んだ感想を書いていきます。
浅田次郎さんの作品を読んだのは「母の待つ里」が初めてだったのですが、少し読み始めた時点で自分の好きな作風だと感じました。

現実では起こらないような少しSF寄りの内容にもかかわらず、どこか現実味を感じさせる内容ではないでしょうか?
そして今回の「地下鉄に乗って」も感動的で素晴らしい作品でした・・!
まず作品のテーマが魅力的すぎると思います。
地下鉄駅の階段を上がると、そこは30年前の懐かしい町。
時を超えて胸を打つ、父と子と、究極の愛の物語。
帯表紙の解説文

半分しか読んでない状態にもかかわらず、すでに感動的なシーンに出会ってしまい即ツイート。
予想していなかった展開に驚いて、「こんな奇跡的なストーリーなのか・・」と感慨にふけっています。
最後に心に刺さった文章をピックアップしました。
「ちかてつ」と胸の中に平仮名で書くと
おとぎ話のマッチのように哀しく暖かい灯が心にともった
p196
私たちが毎日何も考えずに乗っている地下鉄が
こんなふうに人の命を乗せていた時代があったなんて
死んでいく若者たちを何千人も何万人も黙って送り続けていたんだって
p250
30年ぶりに会う人間と
思い立ったとたんに30分で会える
目に見えぬ力の存在を、真次は感じぬわけにはいかなかった
p261
この小説が書かれたのが1994年だと考えると、普段は見逃してしまうような1行も、時代の変化を実感させられる内容に聞こえてくるのではないでしょうか?
とても良い作品だったので、家族や知り合いにも読んでもらいたいと思いました。
興味のある人はぜひ読んでみてください。
ちなみに・・・
今回のような「過去に戻る」系の物語は、以下の作品でもテーマになっています。
- 時帰りの神様/成田名璃子
- 名前探しの放課後/辻村深月
- さよならの向う側/清水晴木
今回の「地下鉄に乗って」が面白いと感じた人は、ぜひこちらの作品も読んでみてください。


