【感想】境界線/中山七里

今回は「境界線」を読みました。

東日本大震災で行方不明になった人の戸籍が勝手に使われている・・という内容の物語になっています。

いわゆる社会派ミステリー(社会問題にも触れているミステリー)というジャンルの作品ですね。

中山七里さんの宮城県警シリーズ1作品「護られなかった者たちへ」を読み終えたので、2作品目にも手を伸ばしてみました。

「護られなかった者たちへ」では生活保護についての現状が語られている一方で、今回は戸籍を違法売買する犯罪がストーリーの軸になっています。

前作の感想はこちら

前作よりもミステリーとしての奥行きが深く感じられたと思います。

リアルの世界でも震災の被害者を利用した犯罪も起こっているのでは・・?と思うほど、現実感のある物語でミステリー好きにとっては面白い作品でした。

最後まで読み進めてもタイトルの「境界線」の意味が分からなかったのですが、解説に書かれていることを読んで腑に落ちました。

本作は”境界線”を引くことをためらい続けた主人公と、みずから”境界線”を引き、それを飛び越えた犯人の対比の物語

葉真中顕さんの解説より
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