こんにちは、もっちーです。
今回は「きのうの影踏み」を読んだ感想を書いていきます。
少し前に読んだ「闇祓」の後書きで紹介されていたことがきっかけで手に取ってみました。

「きのうの影踏み」はホラー寄りのちょっと不気味な話をまとめた短編集になっています。
ただ、それぞれの話でテイストが変わっていて、いろいろな物語を楽しめる作品だと感じました。
たとえば・・
考えさせられる内容
- スイッチ
それは突然現れたのではなくて、もともとあったものに、
ただ、自分が気づくようになった、というだけのことかもしれない。
本当は最初から、どこでだって起きていたことだったのかもしれない。
スイッチ p76より引用
変わったな〜と感じることは、実際に何かが変わったわけではなく、ただ自分が気づいていなかっただけかもしれません。
何かをきっかけにして気づくようになり、そのことが頭から離れなくなるのではないでしょうか?
どこか強迫性障害に似ていますね・・
- 噂地図
小学生の頃はまだネットで調べるという頭はなかったけれど、
今はたいていのことはネットに打ち込めば答えがもらえるのだ。
そう考えると、便利に感じると同時に、 なんだかちょっとつまらないような気がした。
噂地図 p191より引用
(噂を知ることができなくなって) 自分がとんでもないものを失ってしまったかもしれないことを、
私はようやく、じわじわと分かり始めていた。
それを安らかな日々だと、私には、どうしても思えない。
噂地図 p217より引用
噂なんて知ったところで意味がないんですよね。
インターネットが普及したことで、誰でも簡単に噂を知ることができるようになりました(もちろん噂を流す側にもなれる)

インターネットが人間に与えた影響の大きさを改めて実感しました
他には・・
後味が悪くてダークで怖い感じ
- 十円参り
- ナマハゲと私
全体的にそこまで強烈でないホラー系の話が多い中で、この2つは鳥肌が立つような冷たい恐怖が描かれていると思います。


道尾秀介さんの作品っぽい不気味でゾワゾワする感じが伝わってきました・・!



個人的にかなりお気に入りの内容でした
モヤモヤした終わり方が好きな人には、絶対にハマる作品だと思います。
興味のある人はぜひ読んでみてください。