こんにちは、もっちーです。
今回は「風と共にゆとりぬ」を読んだ感想を書いてきます。
朝井リョウさんの「ゆとりエッセイ集」の2作品目です。

1作品目の「時をかけるゆとり」が面白すぎたので、速攻で続編の「風と共にゆとりぬ」を読み始めました。
なんと3作品目の「そして誰もゆとらなくなった」もあるようなので、文庫化されたら読みたいな〜と考えています。
(2022年8月に単行本が出ているので、そろそろ文庫化しそうですね・・!)
帯の裏に書いているような「読んで得るもの特にナシ!」という表現がぴったりな作品です。
何かしらのメッセージが込められているわけでもなく、読むことで感動やハラハラした展開を味わえるというわけでもなく・・(笑)
ただ何かしらのモヤモヤとした感情を抱えている人(自分みたいに)とっては、「風と共にゆとりぬ」に書かれている浅井さんの生き方を覗き見ることで、改めて自分の現状を客観的に見つけ直すきっかけになると思います。
最後に心に残った文章をピックアップしていきます。
20代後半で新しいチャレンジをすることに対して
自分の人生の輪郭が見え始めた同年代の
その中でまだやわらかい部分の形を変えようと試みる姿勢は
とてもたくましい
p134
子どもの頃は日々の中に
待ち遠しいものを見つける力が高かったように思える
大人になると「待ち遠しい」が珍しくなる
p229
特に深く考えされたのは以下の文章です。
大人になることで失ってしまった感覚を、この文章をきっかけに思い出すような気持ちになりました。
大人になると、初めて体験することが減っていく
これまでの経験値から、生きていく上で必要なこと、不要なことが見極められるようになり
必要なことしか手に取らなくなっていく
p241
話せるようになる、歩けるようになる
背が伸びる足や肩のサイズが大きくなるーー
こちらが何をするでもなく訪れてくれた受動的な成長が終わった今
必要か不要かだなんてとりあえず置いておいて
能動的に何かしらの初体験に手を伸ばすことでしか、自分の輪郭は変わっていかない
p241
読む人によって心に刺さるポイントが違うかもしれません。
何かしら新しい考え方に気づくきっかけになるエッセイ集だと思いました。
興味のある人はぜひ読んでみてください。