こんにちは、もっちーです。
町田そのこさんの「ぎょらん」を読んだ感想を書いていきます。
少し読んだだけでも面白そうな感じが伝わってきました。
それぞれの短編が繋がっている連作集で、身近な人の死に触れた登場人物たちが
「大切な人がいなくなってから本当のことに気づく・・あの時こうしていれば良かった」
と後悔するシーンが多く描かれています。
多くの人たちが「贖罪」の気持ちを抱えることになりますが、結局それは自分自身が勝手に作り出したものだったと気がつくという結末。
それでは最後に「心に刺さった文章」などをピックアップしていきます。
なかなか考えさせられる内容が多くて、途中で読むのをストップして自分の考えと向き合う時間が必要になりました。
心に刺さった文章①
過去の挫折が原因で10年以上引きこもっている主人公に対して。
つまずいた石のことをずっと引きずってしまう
もっとやわらかな考えができたら良いのに
p17
心に刺さった文章②
タイムカプセルに埋めた未来への自分の手紙を読んで感じたこと。
未来の想像ができなさすぎたのか
目の前の問題の方が大きすぎたのか
幼い私の精一杯の手紙だった
p357
心に刺さった文章③
人が死ぬことに対して感情を大きく揺さぶられる主人公に対して。
「死」は生きているものの横に存在している
哀しくないわけがない、怖くないわけがない
みんな同じなのに、それを乗り越えて生きていくのに、
どうして自分だけ逃げようとするの、逃げられると思うの
p373
これまでに読んだ本のなかでもベスト3に入るくらい良い本でした。
興味がある人はぜひ読んでみてください。