とても感動する話でした…😢
ある一頭の犬が何かを探しながら、震災が起きたばかりの東北を離れて南へと進んでいく物語です。その中でさまざな人たちに助けられながら、目的の場所を目指していきます。
この犬と関わる人たちは良い結末を迎えないことが多くて、「もしかしたら疫病神みたいな存在なのかな…?」と自分は感じていました。
すべての登場人物が犬に愛着を抱いて、このまま家族にしたいと思いながら過ごしていきますが、最終的には犬が目指している場所に向かえるように手助けをすることに。
2025年に映画化が決まっていて、それに対する著者の馳さんの言葉です。
多聞(犬の名前)は多くを聞くと書く。
犬は人の言葉に耳を傾け、寄り添ってくれるのだ。
犬に語りかけることで心を救われた者がどれほどいることだろう。
さまざまな人の死に際に触れながら、最後には守るべきものを守りに行く姿は、東北から繋いできた「命のリレー」のような形だと感じました。
小説を読み慣れている自分にとって、感動して涙が出ることは少ないのですが、「少年と犬」の最後はウルウルしちゃいました…😢
実家に帰ったら両親にも読んでもらおうと思います。
最後に心に残った文章をピックアップしました。
声をかけてくれるわけでもない。
話にうなずいてくれるわけでもない。
ただそこにいる。それだけで救われた思いがするのはなぜだろう。
人間は犬と会話することはできませんが、同じ言葉が使えないからこそ、見えない何かで繋がっているのではないでしょうか。
自分は犬を飼ったことはありませんが、小さい頃に知り合いの犬を散歩に連れて行ったことがあります。
近所に住んでいた志賀さんという方が飼っていた犬で「ミルちゃん」という名前でした。もう20年以上も前のことで、たしか志賀さんも亡くなられいた気がします。
ミルちゃんは今頃どうしてるのかな…とふと気になりました。